« Forward Motion / The Section | トップページ | Spooky Tooth に光りを! / The Last Puff »

2006/06/17

Picchio dal Pozzo

Picchio1 ピッキオ・ダル・ポッツォ、バンド名からして、曲者の臭いがプンプンしています。このバンドは、1976年にイタリアのグロッグ・レーベルからデビューしたバンドです。グロッグ・レーベルと言えば、たった5枚だけアルバムを発表したマイナー・レーベルとして、そして、このピッキオ・ダル・ポッツォの他に、チェレステとコルテ・ディ・ミラコリという、後々まで語り継がれるべきバンドを排出したレーベルとして、その名を歴史に留めています。このアルバムが、そのデビュー・アルバムという事になります。実は、ピッキオ・ダル・ポッツォは、レーベルを代えて、セカンド・アルバムを発表していますので、他のバンドのような単発アーティストではありません。また、ニュー・トロルスの主要メンバー、ヴィットリオ・デ・スカルツィの実弟、アルド・デ・スカルツィが率いているという点でも有名です。

メンバーは、キーボードを操るアルドの他には、ベース、ギター、管楽器担当の3人を加えた4人組としてクレジットされています。クレジットを丹念に見ていきますと、アルドの兄ヴィットリオや、チェレステのメンバーなどかなりのゲストが参加しています。音楽的には、一言アヴァンギャルドと紹介されている事が多いと思います。しかしながら、通常アヴァンギャルドと言われた時にイメージする「暗い」「難解」「自慰的」なんて印象があまり無いのが、変わっているというか特徴的な部分だと思います。イタリアのバンドには珍しく、カンタベリー系ジャズ・ロック、具体名を挙げれば、ソフト・マシーンとそのファミリー、ヘンリー・カウ、エッグあたりの影響が見られます。1976年と言えば、カンタベリー方面の有名なアルバムはほぼ出揃っている時期ですので、目指す方向に共通性があるのならば、意識的にしろ無意識にしろ影響があるのは仕方の無いところでしょう。

アルバムは"Merta"という曲から始まります。ギターとグロッケン・シュピールがミニマル風のリズムを鳴らす中、サックスが白玉音符を中心としたフレーズを奏でる曲で、ミニマルのリズムは微妙にずれる変拍子もどきで「チューブラー・ベルズ」の冒頭を思い出します。かたや、サックスの方は、同じ時期のソフト・マシーンを彷彿とさせます。2曲目の"Cocomelastico"が謎の曲です。4ビート風のドラムが入っているのですが、ドラム奏者のクレジットがありません。メンバーの4人はパーカッションやヴォーカルも担当しているような記述がありますので、このドラムはパーカッションと呼ぶという事なのでしょうか?。2本のサックスが交互に1音ずつ吹いて、それがステレオ効果として左右から交互に聞こえてくる音楽は、かなり特徴的です。しばらく進むと突如ヴォーカルが出てきます。歌詞(?)を良く聞いてみると、単に「ド・レ・ミ」で歌ってるだけなのは、唖然とされられます。まったく人を食った話です。全体を通してみれば、単調な音形の繰り返しをバックにアドリブを咬ませていくというスタイルが目に付きます。単調な音形と言っても、3曲目ではゴングの曲みたいに聞こえる部分があり、7曲目は、あまりにも単調すぎてバックだけ聞いている限りは、ウィンダム・ヒルの世界みたいなのに、エレキ・ギターと生ギターがアドリブのバトルを繰り広げるという曲で、文章で書いていると支離滅裂に見えてしまいます。とにかく、いろいろな音楽の影響がありながら、際立って個性的な音楽に再生させる事に成功しているのも確かで、こういう個性というのも他になかなか例を見ないだけに貴重というべきなのでしょう。一聴の価値がある作品と思います。

|

« Forward Motion / The Section | トップページ | Spooky Tooth に光りを! / The Last Puff »

コメント

ピッキオ.ダル.ポッツオ(啄木鳥から井戸)の音はティポグラフィカ 今堀恒雄 フランク.ザッパみたいなギタ-ソロを弾くバンドに似ている様な感じがする。既に解散しております。

投稿: サネヒロgym | 2017/03/07 04:13

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/98169/10540599

この記事へのトラックバック一覧です: Picchio dal Pozzo:

« Forward Motion / The Section | トップページ | Spooky Tooth に光りを! / The Last Puff »