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2007/03/01

Klaatu

Klaatu1 クラトゥは、カナダ出身のバンドです。メンバーは、ベースのジョン・ヴォロシャック、ギターのディー・ロング、ドラムスのテリー・ドレイパーの3人。3人でリード・ヴォーカルを分担していますが、3人ともかなり巧みにキーボードを操っていますので、曲によってはキーボード・アンサンブルを前面に出したサウンドのものもありますし、ピアノ、ドラム、ベースが核になっている曲も多いです。この場合は、ギタリストのディーがピアノを弾いていると考えるのが普通ですね。実は、デビュー当時はメンバーの名前すら公表されていなく、全く謎のバンドという形でした。現在でも、かろうじて名前が判明しているだけで、それ以外の情報はほとんど無いと言って差し支えないと思います。このアルバムは、1976年に発表されたデビュー・アルバムです。

音の方は、ビートルズ流ポップスを継承したサウンドです。それも、かなり徹底していて、ドラムとベースは音色的にそっくり、やたらにハイ・トーンを使いたがるベース・ラインもそれ風ですし、リンゴ・スターのドラム・フレーズがそのまま出てきたりもします。又、後期ビートルズを特徴付けるスタジオ・ワーク、効果音やメロトロン、オーケストラ楽器の導入や、エフェクト処理なども使っていますし、外部ミュージシャンもかなり参加していると思います。当初メンバーを公表していなかったのは、売り込み戦略の一環でした。つまりビートルズの元メンバーが参加しているのではないか、という憶測を呼び(おそらく意図的にデマを流したのでしょう)、注目を集めるのに成功しています。そして、実際作品としての出来栄えも水準以上で、ゲテモノと呼ばせない微妙なセンで踏みとどまっていたと思います。

曲の良さは、1曲目の「コーリング・オキュパンツ」をカーペンターズがカバーした事で十分証明されるでしょう。この曲は宇宙人と交信しようとする、一種夢のある内容の歌詞もありますが、変わった転調進行やテンポの変化が、当時の音楽としては斬新で、一際印象的なナンバーです。又、カーペンターズのバージョンは、全米全英でヒットし、グラミー賞の候補にもなりましたので、高い評価を得ていた事は記録上でもわかります。思えば、この時がクラトゥの絶頂期だった事になります。その後は、下降線、ジリ貧で結局消滅してしまったという、かわいそうなバンドという事も出来ます。やはり、ビートルズの威を借りすぎたツケが回ってしまったと考えざるを得ません。

クラトゥは、わかっているだけで5枚のアルバムを発表しています。2枚目の「ホープ」が分岐点で、スタジオ・ワークを最大限に利用した作品になっています。プログレと言うのならば、この2枚目が一番プログレ風だとは思うのですが、アニメ映画のサントラのような感じの曲が多く、ちょっとワルノリし過ぎかなという印象です。3枚目からはバンド・サウンドを意識した作風に転換していますが、当時のニュー・ウェイヴのサウンドに近いものです。コーギスやティアーズ・フォー・フィアーズあたりを彷彿とさせる音になっています。やはり、インパクトという意味ではこのデビュー・アルバムが一番でしょう。

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