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2012/12/24

John Barleycorn Must Die / Traffic

Traffic4トラフィックの登場です。自分でも意外だったのですが、トラフィックについてはまだ書いていなかったんですね。弟分のスプーキー・トゥースについて随分書きましたので、こちらも何度か書いたつもりになっていました。 決してど真ん中のプログレではありませんが、プログレ外郭団体の中では超大物中の超大物と呼んで差し支えないでしょう。このアルバムは通算して4枚目のアルバムですが、ブループが存続しているのか解散しているのかわからないような状態で3枚のアルバムを出し、結局自然消滅状態になっていたものが、自然復活したような不思議なアルバムです。私の個人的な見解ですが、「あっ、トラフィックってプログレだったんだ!!」と初めて思ったアルバムになります。

トラフィックというグループについて、あまり詳しく書く必要性は感じていません。初期のトラフィックが解散状態となった後、スティーブ・ウィンウッドはエリック・クラプトンと共にブラインド・フェイスを立ち上げたものの、アルバム1枚で瓦解してしまいました。その後ソロ・アルバムを製作しようとしたスティーブの元にトラフィックの盟友ジム・キャパルディとクリス・ウッドが集結したため奇しくもトラフィックが再結成された時のアルバムです。このアルバムの最大の特徴は上記3人だけで録音されているという事に尽きます。オリジナル・メンバーにはもう一人デイヴ・メイスンがいた訳ですが、この人はソロ活動を順調(かどうかは疑問ですが)に続けていましたので、ここには参加していません。

3人だけで録音する事がそんなに大変な事なのかどうかと言うのは、はっきり言って音楽次第です。その当時だって3人組のグループはクリームを筆頭としてかなり存在していましたし・・。しかし、このトラフィックの場合は全く別物で、ドラムとパーカッションの大部分をジムが、サックスとフルートをクリスが担当し、残り全ての楽器、ギター、ベース、ピアノ、オルガンそして1曲ではドラムとパーカッションをスティーブが担当し、5~8人編成くらいのパンド・サウンドを作り上げています。特筆すべき事は、アドリプを最大限に取り入れて、ライブ感、グループ感に満ちたサウンドに仕上げてしまっている事です。このアルバムについては基本的にスティーブのピアノとジムのドラムスが最初のテイクとして録られていると判断出来ます(少なくとも全6曲中4曲は)。多少なりともオーバー・ダビングの多重録音の経験のある人には良く判る事と思いますが、ピアノとドラムだけで、これだけのバンド・サウンドとグルーブ感を現出させられるという事は正直言いまして「驚異」としか言い様がありません。そしてそれに絡んで来るクリスのサックスやフルートのアドリブ・プレイは、後からオーバー・ダビングされたとは到底思えないほど曲の流れにマッチしています。さらに、スティープのベースのプレイが最高で、ベース・ラインだけで、曲にアクセントを付けたり、盛り上げたり、曲の流れを完全にコントロールしてしまっています。聞けば聞くほど信じ難いクォーリティを持ったアルバムです。

アルバムは、インスト・ナンバーの"Glad"という曲から始まります。正直な話、この曲1発でノック・アウトされてしまいましたね。このバンド・アンサンブルは何事か??・・・という事に尽きます。この曲に限りませんが、後にライブ盤が出た時は7人で演奏していますので、スティーブが1人で4人分くらいのパートを担当している事になります。そしてメドレー形式で次の曲"Freedom Rider"に突入、さらにキャッチーな名曲"Empty Pages"に続くA面の構成にはいつも感心させられます。次の曲に移るその時のワクワク感がすごいのです。これこそ当にプログレと感じる部分なのです。B面ではタイトル・ナンバーの「ジョン・バーレイコーン」が聞き物です。曲はイギリス人にとってはお馴染みのフォーク・ソング・・いや、フォーク・ソングと言うよりも謎かけの遊び歌と呼んで良く、童謡と呼ぶ方が近いでしょう。サウンドはフォーク・ギターを中心にジムがリード・ヴォーカルを取り、スティーブが5度を中心とした妙なハモり方をし、さらにクリスのジャジーとしか言いようの無いフルートのアドリブが絡みまくるというもので、次第に切迫してくる流れが尋常ではなく、単にフォーク・ソングと思って聞いていると、完全にやられてしまうという曲です。

トラフィックのアルバム中の最高傑作を選出するのはかなり至難の業だと思います。ただし、スティーブ・ウィンウッドという天才ミュージシャンがその実力を十二分に発揮し得た、という意味で語るならば、このアルバム以上のモノは無いと判断して良いかと思います。

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コメント

traffic, Steive winwoodを意識して聴いたのはこのアルバムが最初でした。ノックアウトされましたよ。私にとってにツトム・ヤマシタのアルバムを買ったのもスティーブの名前があったから、ウイリー・ウイークス、アンディ・ニューマークのリズム隊に注目するようになったのも彼のお陰です。

投稿: baru | 2013/01/01 01:27

私の場合、スティーブの名前を初めて知ったのはシカゴの"I'm a Man"だったと思います。トラフィックはファーストから順番に聞いていったのですが、このアルバムはインパクトが強かったですね。

投稿: 管理人 | 2013/01/04 20:01

通りすがりのものです。(以前にも一度書き込みはいたしました) わたしもこのアルバム大好きです。ほかのアルバムではそれほど興奮しませんでしたが、この作品だけはいつ聴いてもドキドキしますねー。そうか、プログレだったんですね。(^^)

投稿: chipmunk | 2016/03/26 10:05

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