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2013/01/13

Spooky Tooth に光りを! / Cross Purpose

S_tooth81999年、突如としてスプーキー・トゥースの新アルバムがリリースされました。最後のアルバム「ザ・ミラー」が発表されたのが1974年の事でしたので、25年目の節目という事になります。もっとも、「ザ・ミラー」の時とは全くメンバーが異なっています。 ここで集結したのは、ゲイリー・ライトを除く4人のオリジナル・メンバーです。ジャケットの写真にメンバーが写っていますが、前列左からマイク・ハリソン、ルーサー・グロヴナー、マイク・ケリー、そして後ろに立っているのがグレッグ・リドレーです。よほど詳しい人でないと誰が誰だか判別するのが難しいかも知れません。

ゲイリー・ライト以外のオリジナル・メンバー4人は、とどのつまりアートの4人ですので、アートの再結成とも言えるのですが、ネーム・バリューを考えればスプーキー・トゥースとするしかありませんね。その辺の整合性を考えての事でしょうか、1曲目にはゲイリー・ライト作のスプーキー・トゥース・ナンバー"That Was Only Yesterday"のセルフ・カバーが入っています。さらにアートのセルフ・カバー"Love Is Real"まで入っていますので、メンバーの心情としてはかなりデリケートな面があったように思えます。

この再々結成にあたってはルーサー・グロヴナーが中心となっていたのは間違いないでしょう。ルーサーは1996年に2枚目のソロ・アルバムを発表し、その時までにマイク・ケリーと邂逅していました。その流れから、再びスプーキー・トゥースとして活動しようという話になったと思います。少なくとも、ルーサーのアルバムでプロデュースをしていたミック・ドランという人がこのアルバムでも数曲のプロデュースをしていますので、一連の流れであった事は確かだったと思います。ちなみに、ルーサーのアルバムの時にも書きましたが、ミック・ドランという名前はスティーブ・ウィンウッドの変名だと書いてある記事が1つだけあり、ウラを取ろうとしているのですが、いまだにわかりません。いろいろ探しても他に無いので、その記事の勘違いなのかな?と思い始めているところではあります。さて、多分ルーサーからマイク・ハリソンとグレッグ・リドレーに連絡が行ったのだと思います。ルーサーとゲイリー・ライトの関係が上手くいっていないのではないかという疑いについて以前書きましたが、ここでもゲイリーには連絡を取っているような形跡がありません。もっとも、この時期のゲイリーはロスにいたはずですので、地理的に遠いから敬遠したというだけの理由だったかも知れませんが。

ルーサーのアルバムの記事で書きましたが、ルーサーはそれこそドサ回りのような状況で音楽活動を続けていたように思われます。他のメンバーはというと、マイク・ケリーはセッション・ミュージシャンを続けていたはずですし、マイク・ハリソンは自分の農場の経営をしながら余暇活動として歌っていたようです。面白いのはグレッグ・リドレーで、貿易会社を起業して少なくとも商売という意味では相当な大成功を収めていたとの事ですが、それだからこそ音楽活動を再開したいという気持ちが高まっていたようです。

とにかく4人が集まり、リハーサル及びレコーディングという形で活動を再開しようとしたのですが、これは実は4人にとってはとても辛い作業だったようです。活動は一度頓挫し、その後何とか形にだけは残そうと悪戦苦闘したような形跡があります。どうしてそうなったのか・・・は、憶測するしか仕方がありません。若い人たちですと、意見の相違から喧嘩状態になったりもするのですが、そんな形跡もありません。いきなりレコーディングを目指してしまったのがそもそも問題だったような気もします。変に民主的なバンドにしようとして、お互いがどう相手と向き合ったらよいかという部分が微妙に食い違ってしまったため、というのが真相だったのではないでしょうか。前作から25年あるいはそれ以上の歳月を経て、それをどう自分たちの音楽に反映させれば良いか、というヴィジョンが明確になっていなく、いたずらに試行錯誤してしまっている事が強く感じられます。結果として、この再々結成は自然消滅の形に終わる事になり、アルバム1枚が生み出されたのがせめてもの幸いだったというべきでしょう。

アルバムの音はどうなのでしょうか。とにかく、「渋い」、「深い」という表現が一番でしょう。セルフ・カバーの2曲以外にもカバーがありますが、元ネタは私にはわかりません。少なくとも良く知られた有名曲ではありません。メンバーのそれぞれの作品が1曲ずつあり、ルーサーとグレッグは自作の曲のリード・ヴォーカルを取っています。他に4人共作のオリジナルが1曲あります。しかし、この「渋さ」は・・・一人でしみじみと聴くにはいかにもぴったりで・・・・このアルバムの最大の魅力になっています。これはこれで、悪くないです。

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