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2013/07/26

Far From Home / Traffic

Traffic91994年に発表されました、トラフィックの最終章を記したアルバムです。トラフィックは、1974年に「ホエン・ジ・イーグル・フライズ」というアルバムを出した後、自然消滅的に発展的解消となり、中心メンバーのスティーブ・ウインウッドとジム・キャパルディがそれぞれソロ活動に移行し、特にスティーブ・ウィンウッドはソロとして大ブレイクと言って良い状態になった事は周知の事実です。そのスティープとジムが、90年代に入るかどうかというかなり早い時点からトラフィックとして再び活動しようという構想を暖めるようになり、それが1つの形として結実したアルバムになります。

今思えば、90年代と言うのは、70年に活躍しその後解散や活動休止となっていたグループの再結成・再活動が実に盛んでした。このブログで取り上げそうなバンドに絞ったとしても、ビートルズはちょっと例外的ですが、ELP、ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、イエス、10cc、ELO、スタックリッジなんて名前が直ぐに思い浮かぶ訳で、一種のブームのような様相でした。このトラフィックの活動再開がその先鞭を付けていたという意味は大きいと思います。

さて、このアルバムでのメンバーは、スティーブとジムの2人だけです。オリジナル・メンバーのクリス・ウッドは83年に亡くなっていましたし、もう1人のデイヴ・メイスンは当初から出たり入ったりの状態で、あまり他のメンバーとの折り合いが良かったとは言えませんでしたので、当然のごとく不参加です。サポート・メンバーも2人が1曲ずつ参加しているだけ、ジムがドラムとほとんどのパーカッション、3曲でバック・コーラスを取っている他は、全てスティーブが担当しています。こうなりますと、アルバムにもよりますが、ほとんどスティーブ1人で演奏している場合も多い一連のソロ・アルバムとどこが違うのか、という話になると思います。これが、違うんですね。言葉で表わすとしますと、グルーブ感としか言えないのですが、とにかくはっきりと違います。この違いは本当に見事としか言いようがありません。さらに、あたかもクリスが演奏しているように聞こえるフルートやサックスが出てきます。これは、ほとんどの楽器をスティーブが演奏しているというクレジットを信じ、耳で判断する限り、スティーブがサンプラーを使用して(フルート)あるいは本当にその楽器をプレイして(サッスク)いると思われます。これが、全くクリス・ウッド流そのままなのには驚かされます。クリスの事を良く知った人間でない限りどんな名人級のセッションマンを連れてきても、こうはいかないと思います。

アルバムは全10曲、合わせて1時間を越えるもので、1曲平均6分という長尺の曲が並んでいます。どの1曲を取っても聞き物である事は間違いありません。とにかくこのアルバムは、気を抜かずにしっかりと全曲を聴き通してもらいたいと思います。

このアルバム発表後、トラフィックとしてコンサート・ツァーを行っています。その時のメンバーには、アルバム「ホエン・ジ・イーグル・フライズ」でベースを弾いていたロスコー・ジーが参加していたのはとても嬉しいニュースでした。そして数年の休止の後、再活動を計画していた矢先、ジムが病に倒れ(2005年死去)、再活動は夢と終わってしまいました。この最後のツァーの様子を記録した映像はファン必見のアイテムです。トラフィックという、「音楽を売る」ためではなく、「音楽を楽しむ」ために活動したバンドの終着点の様子がはっきりと映し出されているからです。

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