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2016/08/10

Land of Cockayne / Soft Machine

Softmachine11ソフト・マシーンのラスト・アルバムと目されている作品です。この作品は、私自身その存在を知りながらずっと聞かないでいたものです。何故ならば、少なくとも評判を見聞きする限りにおいては、これほど評判の悪い作品も滅多に無いと言えるほど、最悪なものだったからです。

さて、最近になって「まあ聞いてみようかな」程度の乗りで手にしてみたのですが、聞いてみてびっくりです。ここで聞かれる音楽は、自分の感性にとても近いものだったのです。中には、私が昔作っていて忘れていた曲をふと聞いてみたのではないかと錯覚を覚える曲すらありました。これは少なくとも個人的には尋常な事ではありませんでした。

このアルバムの評判が悪い理由ははっきりしています。「今までの作品とは違う」という事に尽きます。唯一残っていた初期からのメンバー、マイク・ラトリッジが抜け、どちらかと言うと新参者であるカール・ジェンキンスが全曲を作曲して出来上がったアルバムで、実質的にはジェンキンスのソロ・アルバムであるというのが大方の意見になっています。ジェンキンスが何故そんなに評判が悪いのかが疑問なのですが、とにかく、それまでソフト・マシーンが積み上げて来た実績も栄光も全てを踏みにじった人物と思われていて、後にジェンキンス以外の元メンバーが集まり、ソフト・マシーンを再結成しようとした時に、ジェンキンスが反対したために別名バンドとして始動しなければならなかったという事実が追い打ちをかけて、ジェンキンス=悪役のイメージに拍車をかけています。そう思ってジェンキンスの写真を見てみますと、美男でもなく、聡明そうでもなく、いかにも悪役に見えてきてしまうのが困りものです。

しかしそういう話をいくらしても、この作品が音楽として良いのか悪いのかという話には全くつながりません。以下は、純粋にこの作品について思う所を書いていこうと思います。

まず、ジェンキンスのソロ・アルバムかどうかという話ですが、紛れも無くグループ、ソフト・マシーンの作品と考えます。何故かといえば、参加したメンバーの音楽性がきちんと反映されている事が確認出来るからです。そのメンバーですが、ギターのアラン・ホールズワースが復帰していて、ドラムのジョン・マーシャルと合わせますと、少なくとも名作「バンドルス」に参加したメンバー5人のうち3人が揃っている事になります。そして、このアルバムを最初に耳にした時に耳が釘付けになったのがベース・ラインなのですが、そのベース奏者がジャック・ブルースというのが最大の驚きです。このアルバムを悪く言う人は、ジャック・ブルースのプレイはソフト・マシーンとは水と油だと思ったのでしょうか?。とにかくベースが目立ちまくっていてこのワクワク感が凄すぎます。アラン・ホールズワースのギター・プレイが霞んでしまっているんですから・・・。私の素直な感想を言わせていただければ、このアルバムは大変な大傑作です。ソフト・マシーンの一連のアルバムと比べれば、多少の雰囲気の違いはありますが、以前のアルバムも年代に従って少しずつ音楽性が変化していった軌跡が認められますし、その延長線上の到達地点と考えるならば、何ら違和感は覚えません。曲の良さという意味では、以前の作品や再結成(バンド名は異なりますが)以後の作品よりも上を行っていると感じています。今頃になって、喜んで聞きまくっています。

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