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04/19/2005

鏡の国のアリス(6)

そのコンサートは、"LEN"シリーズの第4回という形で、シンセサイザーをメインに使う事を打ち出したコンサートでした。コンサートは2日のシリーズで、1日目のPart1は、「MIDI現代音楽の波」と題され、1989年5月1日(月)バリオホールで、2日目Part2は、「MIDI応用研究」というタイトルで、5月14日(日)ビデオギャラリーSCANという場所で開催されました。Part1では、私は、「Resolution "分解"(ベースギターシンセサイザーのために)」という作品を発表し、Part2ではコラボレーション・ワーク「FOSTM」という作品(?)に参加(?)いたしました。この(?)について説明しないと、何の事かわからないでしょうが、この作品はメンバー5人がバラバラに即興演奏をしたものを、後で重ね合わせるという、軽いのりの曲で、誰が何番目にどの音色を使うかなどをクジ引きで決めるなんてお遊び精神が満載でした。ついでに書いておきますと、1番クジを引いた私が、「始めるけど、いいですか~」と言われ、「あっ、始めていいよ」と答えながら、「ねえ、この音色は初めから出ちゃつまんないよねえ、そう思わない?」なんて、最前列の観客と雑談していて、しばらくしてから「そろそろかなあ」なんて言いながら、キーボードに向かったのが大受けしましたね(ヤッタネ!)。

さて、このコンサートで5人目の作曲家、谷川賢作氏が登場いたしました。谷川氏は、詩人の谷川俊太郎氏を父に持つという人で、本人が好むと好まざるとに関わらず、どうしてもそういう紹介のされ方をしてしまいます。早い話、初めてその名を森本氏から聞いたときの、第一声が「谷川俊太郎って知ってるよね・・・・・」だった訳で、もうしょうがないですね。
この作曲家の谷川氏は、森本氏と柴田氏(前述)の考案したOTOMIL-1とは別個に、シンセサイザーと映像のリアルタイムのドッキングにチャレンジしたパフォーマンス活動をしていて、その繋がりで森本氏と意気投合して参加してきたものと思います。

このコンサートは、大変に成果のあるものだったと思います。角氏、沖田氏の2人は、手探りだったシンセサイザーによる作曲を、コンサートを経験する事で自分のものにする事が出来たはずです(実際、沖田氏については、他の人よりもお互いの拠点が近いという理由で、私が全面的にサポート役にまわりましたので、始めの頃の試行錯誤の段階から、形が出来上がるまでのプロセスを間近に見ていた訳です)。そして、もう1つ重大な事は、Part2で、OTOMIL-2が披露された事です。これは、OTOMIL-1のシステムを利用しながら、グラフィック関係を格段に強化したもので、それによって、単なる実験プログラムから、見て楽しむというエンターテイメントに変貌を遂げた事になります。鍵盤を押すと、発音と同時に立体感あふれる球形が出現するプログラムや、画面全体の色が変化するプログラムは、観客の歓声を誘っていました。

これで、「アリス」への準備は、新たな局面に向かう事になりました。

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