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04/22/2005

鏡の国のアリス(7)

いよいよ、本番に向けての調整に入りました。前衛舞踏家の五井輝氏は、森本氏とは以前から面識があり、森本氏は準備が整った段階で五井氏に声をかける事は決めていたようでした。前衛パフォーマー小野榮子氏とも「今度何かやりましょう」というような話はしてあったらしいです。アリス役として、舞台俳優の原サチコ氏(この時は若手でしたので「氏」と書くのは違和感がありますが、ここでは統一します)を見出した時に、全体的な骨格が決まったはずです。この辺の人選関係の活動につきましては、ほとんど森本氏が1人で担当していましたので、詳しい事はよくわかりません。こちらの立場で言えば、「こう決まったよ」という事を知らされ、台本を見せられたという事です。

森本氏がいつの段階から台本を考えていたのかは今となってはよくわかりませんが、ある日突然("LEN"のコンサートが終わって暫くしてからです)「こんな感じだよ」と言ってほとんど仕上がっているものをポンと見せられました。この辺につきましては、実は最近本人に聞いてみようとしたのですが、そんな細かい事以前に、大きな出来事もほとんど覚えていないようでしたので、質問する事を断念いたしました。こちらとしてはCDを作る都合上、ライナーにいろいろな情報を載せた方が良いに決まっているので、そのリサーチのつもりだったんですが仕方がありません。どんな台本だったかは、前にも少し書きましたので、重複は避けますが、全部で24シーン(その後の改定で25に増えました)、曲数にして29曲、公演時間としては100分近いというかなりのものでした。29曲の中には、即興のものもありますので、それを除いた25曲を5人で分担する事になりました。「どの曲をやりたいですか?」という打診があった記憶があります。言われた曲を言われたまま作曲しましたので、「どれでもいいので任せます」と答えたはずです。

それからは、台本を睨んでイメージを膨らませていき、曲作りをしていったわけです。5人は基本的には別々に作業をしたのですが、沖田氏は、私にサポートを依頼してきました。M1一台では、いろいろやりにくかったようです。私が手伝った部分は沖田氏が作ってきた曲を私の所有しているシーケンサーに入力し、エディットをしたという事と、クセのあるM1の音色を多少和らげる意味で、私の手持ちの機材の音色を加えた事で、"LEN"の時と違って、細かい場所に意見を挟んだりはしていません。さて、私の自分の担当した曲の方は、前回使ったフレーズサンプリングをさらに大胆に使い、曲によってはオーケストラ風に扱うなど、かなり楽しんで曲作りは出来ました。作業時間も早かったと思います。

そうこうしている内に、歌を入れようという話が持ち上がりました。谷川俊太郎氏の詩を推薦したのは小野氏だったようです。私もそうだったのですが、歌を入れた方が全体が面白くなるという直感がみんなにあったのでしょう。誰も反対せずにトントンと決まりました。元の詩は、全く異なったものが3編あります。1を角氏、谷川氏、森本氏の3人が、2を沖田氏、3を私が担当する事になり、それをABACAの形に登場させるという、心憎い演出に決しました。同じ詩に3人が作曲するというのは、なかなか面白いアイデアで、私としては傍観者の位置で興味津々に見ていましたが、これは3者3様で本当に面白かったですね。森本氏は歌手の選出にかなり苦労したようですが、何とか師尾朋子氏に決まり、私の個人的な立場としては結果的に何の苦労もせずに済みました。

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