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10/11/2008

鏡の国のアリス(16)

このシリーズの前回のエントリーを書いてから3年以上が経過しています。いきなりここで続編を書くのは、当然ながら事態に変化があったからです。前回の時点では歌の録音のところで止まってしまっていました。誰か歌手を頼むというのは、けっこう大変な事です。曲自体、半端ではなく難しい曲が揃っていますので、その辺にいる歌自慢の素人というわけには行かず、かなりの実力のあるセミプロ以上の人材が要求されます。また、それとは別に、題材が題材ですので声質が合うか合わないかという大問題があります。つまり、やってみて「やはり声が合いません」なんて後から断わるという可能性があってはならないので、選ぶ時点で相当に慎重にならざるを得ないのです。

ところが、時代が変わると話が変わってくるのです。この3年で何が変わったのかと言いますと・・・・

察しの良い方は気が付くかも知れませんが、それはVocaloid「初音ミク」が登場した事です。ここを読むような人で「初音ミク」を知らない人はあまりいないのではないか、という気がしますが、簡単に説明をしておきます。Vocaloid自体は、コンピューターに歌を歌わせる事を目標に作られたコンピューター・プログラムの一種です。「初音ミク」以外にも何種類か(何人か?)のVocaloidが登場していますが、「初音ミク」の場合は、日本語で歌うミドルティーンの実力派アイドル歌手という設定で、そのセンに沿った声と性格を持っています。つまり、「アリス」を歌わせる歌手としてはかなりイメージが近いものがあると思われます。何と言っても、実際の歌手を頼むのとは違い、ダメもとで試しにやってみようという事が気軽に出来るのが良いところです。

という事で、試しにやってみました。前回中断していた時点では、最終的なミックスをする直前のデータをそのまま全て保存してありますので、いつでも歌の録音に取り掛かれる状態を保ってあります。今回の作業は、「初音ミク」で音声データを作成し、そのままインポートするだけで良い事になります。作業自体は思ったほど大変な作業ではありませんでした。デフォルトの入力自体は非常に簡単です。そのままでは機械っぽいのですが、1語ずつ細かく設定していくと、どんどん人間らしい感じに変わってきます。実質2日ほどの作業で歌の曲6曲が完成いたしました。実際に聞いてみたら、これがなかなか良い感じなのです。今も聞きなおしていますが(問題がないかどうかを聞くために、いろいろなタイミングで何度も聞き直しています)、これなら良さそうです。3年待ったのが正解だったのかも知れません。

これで、次の作業に入れそうですが、1つ今まで考えていなかった問題をクリアーしなければならなくなっています。それは「初音ミク」の権利者との権利関係の調整です。「初音ミク」には、自作の作品を無償で公開する形はOKである事が明記されていますが、作詞者の谷川俊太郎氏をはじめとして、音楽も私を含め作曲家5人の共作で、ほぼ全員がJASRACの信託者という意味でプロの作曲(詩)家ですので、私の一存で無償の公開という事は出来ませんし、どちらにしても無断で勝手に発表というわけには行きません。他の作曲家4人に順次連絡を入れ、「初音ミク」の問い合わせセンターの窓口にメールをして返事を待っている段階です。まあしかし、大きく事態が進展したのは間違いないところでしょう。

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