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10/29/2010

バンドと共に(10)

さて、翌年の春にバンドは再活動いたしました。その時点で残ったメンバーは4人。キーボード担当の私の他は、ギターの康雄くん、ベースの高橋くん、そして憲行くんです。憲行くんはマルチ・プレイヤーなのですが、この時点から必然的にドラマーという事になり、兎にも角にもバンドとしての形態は保っていました。楽器の面では各楽器が一人ずつという事になり、それなりに何とかなるようでした。特に、私がキーボード関係の機材を少しずつ追加しマルチ・キーボード体制に移行していく事で、以前よりも複雑で柔軟なアレンジが可能となっていましたので、あまり大きな問題は無かったと思います。一方、困ったのはヴォーカルです。それまで中心となってリード・ヴォーカルを取っていたヒロシ兄さんが抜け、その次に良くヴォーカルを取っていた憲行くんがドラムを叩きながら歌う形になり、スロー・テンポの曲ならばまだしも、アップ・テンポの曲では無理があることが判りました。後の3人はかろうじて私がバック・コーラスを取ることがあった程度でほとんど歌はやっていません。

そんなこんなで、ある意味必然的なコースとして、インスト曲のカバーを多く取り上げるようになっていきました。最初に取り組んだのは、ブッカーTアンドMG’Sのアルバムです。実は調べたのですが、アルバム名も曲名もはっきりとはわかりませんでした。おそらく"Universal Language"というアルバムなのではないかと思いますが、このアルバムは現在絶版になっていますので、容易に確認するというわけにいきません(2011年に再発されるという未確認の情報があります)。私の手元には耳コピ用のテープがあるのみです。音がわかればそれで良さそうなのですが、曲名もアルバム名も全く書かれていなくて、かろうじて「ブッカーT」とだけ書いてあるだけです。とにかく、1枚のアルバムほぼ全曲コピーするという暴挙?に出ました。まあ、これはこれでみんな楽しんでいました。

その他の曲についてですが、耳コピ用のテープが残っています。前にこの時期のステージ・フライトの資料がほとんど手元に無いと書きました。このテープが数少ない資料の中で最も重要なものでしょう。聞き返してみましたが、話し合って候補にあがった曲を片っ端から録音したという性格のテープで、バンドで演奏した覚えの無い曲も含めて、まあいろいろな曲が入っています。中には曲名も演奏者も覚えていないのがあって自分でも驚いています。曲名等がわかるのは、ラリー・カールトンの「ルーム335」と「ポイント・イット・アップ」、ザ・セクションの「サッカーズ・オン・パレード」と「L.A.チェンジズ」、フォーカスの「シルヴィア」、リー・リトナーの「シュガーローフ・エキスプレス」、「キャプテン・カリブ」、「フライ・バイ・ナイト」、渡辺香津美の「サムバディ・セイムバディ」、「メロウ・サンシャイン」といった感じです。こうして見ると、康雄くんの嗜好が反映されているのは明らかですが、他のメンバーもそれを良しとしていた事が伺えます。とにかくこういう感じで新しいバンド・サウンドを模索していたと言う事になります。

コピー曲の話ばかり書きましたが、それではオリジナル作品は放棄したのかと言うとそういう事ではありません。高橋/高澤のコンビは、「迷路の街」という名曲を生み出しました。高橋くんの詩はこの作品を契機に飛躍的に進歩をとげでみんなを驚かせるようになりました。そして私は「Seacret Meeting with D」というインスト曲を作りました。この曲はザ・セクションの音楽を参考にして作曲したものですが、1小節ごとに拍子が変わるメロディを持ったかなり変態的な曲です。この2曲はどれもバンドの重要なレパートリーとなっています。しかし、前回書いた私の作品群はあまり取り上げなかったのは確かです。4人で演奏するのはやりにくかった・・・いや、どうアレンジするか思い至らなかったという感じでしょうか。ギターの康雄くんのプレイに得意なパターンとそうではないパターンがあり、私の曲との相性があまり良くなかった事もアレンジで立ち往生してしまった理由の1つです。

それとは別の話ですが、ひょんなところから詩が手に入ったという話があります。実は高橋君は双子の兄なのですが、ある日弟の方が詩を書いたという事でその詩を私のところに持って来ました。弟の方はその当時ジェネシスのフリークで、ジェネシスの曲にインスパイアされた詩を書いたという事で、兄の方は憲行くんよりもプログレを良く聴いていた私の方が曲を付けるのがいいのではないかと思ったらしいのです。その時の詩はおそらく3編で、「森の中の眼」、「頑固な紳士」、そしてタイトルが書かれていない「歯車」を題材とした詩です。この3編はそれぞれ曲を付けて後にレコーディングをしていますが、バンドでは結果的に取り上げませんでした。こちらの曲の場合もアレンジ等がなかなか決まらないままグズグズしてしまったというのが真相です。

追記です。
上記のブッカーTアンドMG’Sのアルバムですが、2011年に再発されました(年頭に輸入盤として、その後日本語解説を付けた形のものも発売されました)。さっそく入手して喜んで聴いています。

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