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12/05/2010

録音の世界へ(1)

このシリーズは、「電子音楽」シリーズの続きと「バンド」シリーズの第11回から分岐して来る形の内容になります。この第1回のエントリーは、今までの流れを押さえる形の記述から入りますので、しばらくは内容的に重複する部分がある事をご承知下さい。前記2つのシリーズも合わせてお読みいただければ、全容がわかりやすいと思いますので、どうぞよろしく。

私は元々録音はそれほど強い方ではなかったと思います。もっとも、父がどういう理由なのか小型のテープレコーダーを持っていましたので、いつの間にかそれが私のおもちゃ代わりになっていたという事はあります。その時はテレビから流れる気に入った音楽を片端から録音して聴いていたという形でした。その頃のテープそのものは保管してありますが、それを再生する手段がなかなか無くて、中身を確認する事が出来ないでいます。その後、いわゆるステレオを買ってもらったのが中学に入る頃でした。そのステレオは本体+スピーカー2本の3点セットのタイプで、本体にはレコード・プレイヤーとAM・FMチューナーがあり、録音機能は無かったと思います。その当時の機械は押なべてそんな感じだったと思います。

その頃の最大の楽しみはFMラジオで知らない曲を聴くことで、最初のうちは上記の小型テープレコーダーで片っ端からエアー・チェックいたしました。熱を出して学校を休んだ時など、ほとんど一日中レコードとラジオを聴いていたのを良く覚えています。その状況でいたく感動して聴いた曲の1つに、フランクのピアノ5重奏曲があった事も良く覚えています。この曲はその後酷い演奏のレコードを買ってしまい、がっかりしたという経験がありましたので、なおさら強く印象が残っています。ただ、片っ端からエアー・チェックと言っても失敗も多く、聴いてみたら録音出来ていなくてがっかりした事など数知れない状態でした。録音のノウハウなんてほとんど知識がありませんでしたし、そもそも知識を得ようという気もちそのものが無かったというべきか、いやそもそも(知識を得れば良い事に)気付いていなかったというべきか、という状態でした。

その後カセット・デッキを自分で(?)買ったのがいつ頃だったのか記憶がありませんが、高校卒業までには手に入れていたと思います。それだからと言っても、媒体がオープン・テープからカセット・テープに変わっただけで他の状況は特に変わりません。その間、録音の失敗を数え上げればきりがありませんが、本人としての大問題は音が録れたかどうかということで、音の良し悪しは全く頓着していませんでした。むしろ録音テープの音が悪いのは当たり前と思っていましたし、音の良し悪しよりも曲そのものに強い興味がありましたので、音が悪くてもそのままの状態で聴いていました。そしてそのまま大学の2年生の終わり頃まで過ごしていたと思います。

高校在学中から興味を持っていたのは現代音楽そのものだったのですが、そういう知識を得る過程で現代音楽の1つの方向として録音を扱った分野がある事を知りました。分野と言ってしまうと逆に違和感がありますが、電子音楽とか、テープ音楽とか、ミュージック・コンクレートとか言われているタイプの音楽です。そして、希望すれば芸大の3年生から専門実技の一環として電子音楽の研究室に入る事が出来る事がわかり、1・2年生の間はその事を心待ちにして過ごしていた感があります。1年生の時だったと思いますが、「電子音楽」という講座を受講しましたが、これはあまり面白くありませんでした。詳しくは覚えていませんが、音響学の基礎のような内容が多く、実例をあまり聞かせてもらえないような内容だったと思います。

2年生の後半の冬だったと思いますがシンセサイザーを初めて入手しました。ローランドのシステム100というシリーズもので、全部で6種あるシリーズのうちの本体と拡張ユニット(エキスパンダーという名称でした)の2つです。値段は20万を超えていたかなりの買い物だったと思います。まあとにかくまず慣れるのが先決という事ですね。その冬はたまたま仕舞い込んであった1人用の小型の電気炬燵を引っ張り出してきて部屋の片隅に置き、その上にシンセサイザーを常駐させた場所が私の定位置になりました。その甲斐があってシンセサイザーを一通りマスターし、3年生の春、つまり晴れて電子音楽の研究室に入れる季節を迎えました。希望者が多かったら抽選・・・・なんて話も聞かされていたのですが、蓋を開けてみたら希望者は2人だけ、1つ上の学年も2人ほど、大学院生が2~3人という感じで(他に籍だけ置いていてほとんど顔を出さなかった人がいたようですが・・)、人手が足りないから是非みたいな感じですんなりと入ってしまいました。その時はシュトックハウゼンの「スタディII」のプロジェクトが進行中でしたがその顛末、及び私の最初の電子音楽作品については「電子音楽」シリーズで詳しく書かせていただきましたのでここではほとんど触れません。1つ確認しておきたい事は、この時制作いたしました私の最初の電子音楽作品に使用した音源は、前述のシンセサイザーの音を前述のカセット・テープレコーダーに録音したものを学校に持って行って使用したということです。つまりこの時点で、自宅での録音がそれまでの単なるエアチェックの段階から1つ先に進んだという事になります。やはり、録音の音質面を気にし始めたのはこの頃からだったと思います。

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Comments

こんばんは☆
元 師尾朋子です。
大変御無沙汰をしてしまい、申し訳ありません。
お元気ですか?

何の気なしに旧姓を検索してみたら、
こちらにたどり着きました。
私は今も歌っています(*^_^*)
残念ながら、歌だけでは食べられないので
普通に仕事もしていますが…。
今は4歳と7歳のこどもの母でもあります。
年に2回~3回、ジョイントコンサートや発表会
で板の上に立たせていただいたり、
老人ホームや公民館でボランティア的な
コンサートをさせていただいたりしています。

鏡の国のアリスは、私がギャラをいただいた
初めてのコンサートでした。(^^ゞ

あの頃は若かったこともあり、
何の資料も残っていません。
もし、音源や資料があるのなら、
ぜひ見たり聞いたりしたいです。

初音ミクさんに歌っていただいたものでも
構いませんよ(笑)
ブログ(?)にあったように、
本当に難しい曲でした。
できることならもう一度勉強してみたい
と思っていた作品です。

よろしければご連絡ください。

Posted by: 元 師尾朋子 | 05/09/2011 at 09:53 PM

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