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10/10/2011

録音の世界へ(2)

大学3年生の秋から冬の頃、ちょっとして事件がおこりました。この話は「バンド」のシリーズで既に書いた事ですが、バンドの「メンバー募集」の繋がりの中から1人の人物と知り合いになった事です。彼の名は矢沢和明君と言い、最初は当時私がやっていたバンドに加入してもらうつもりで連絡を取りました。その時には既に別なバンドとの話が先にありましたので、結果的には私の方のバンドに入る形にはなりませんでしたが、その後友人として付き合う事になりました。

その矢沢くんは、自宅にいろいろな機材をため込んでいて、一言で言えば宅録のスタジオのような状態にしていました。これは私にとっては大変な驚きでした。当時の私は大学のスタジオをかなり自由に使える状態で、機材もとても個人では手に入れられないような高価なものが揃っていましたので、他人から見れば羨ましがられるような恵まれた状態でした。しかし、かなり自由に使えると言っても1日せいぜい8時間、日曜祭日は休みですし入試等で学校に入れない期間もありますし、卒業までという期限もありましたので、矢沢くんのような何時でも使えるスタジオは一種憧れの存在でした。

初めて会ったときには、彼はすでに1通りの機材を揃えていました。楽器はドラムセット、エレクトーン、ピアノ、シンセサイザー、フルート、ベース、生ギター(12弦と6弦)、エレキギター、そしてギター・アンプもありました。それから、マイク、ミキサー、マルチトラックのテープレコーダーも揃っていました。ちなみに、そのテープレコーダーは、当時個人用として唯一市販されていたティアックの8トラック8チャンネルのものでした。それだけ揃っていれば他のメンバーに頼らずに1人で録音する事が可能で、実際彼は少なくともレコード・アルバム3枚分ほどの録音作品を制作していました。その録音はダビンクさせてもらい、今でも手元にあります。曲調としては基本的にはインスト・ナンバーで、ポップスと呼ぶかセミ・クラシックと呼ぶかという感じだと思います。本人は少なくとも当時はキャメルの「スノー・グース」がお気に入りで、その影響がある曲も多かったと思います。所有している楽器の中にフルートが入っているのもキャメルの影響のはずです。そのフルートは質屋の店頭にあったものを安価で拾ってきたという話でした。

その後私の取った行動は・・ですが、実は3年次の提出作品としてオーケストラ作品を書かなければなりませんでしたので、直ぐに行動を起こすという形にはなりませんでした。実際に動いたのは春休みの時で、学校の録音室が使える日を調べ出来るだけ通うようにしました。そこでやった事の1つは「ピアノと電子音のための小協奏曲」のピアノを録音をした事でした。作品の大まかなイメージはありましたが、生のピアノの音をきちんと録る事はそれまで避けていましたので、その練習という意味が大きかったと思います。そして、それまでに書き溜めていたポピュラー系の作品の何曲かを一人多重録音してみるという事もやりました。この録音のテープは手元に残っていますが、「森の中の眼」、「冬の風鈴」、「雨の日に」、「振りかえると」の4曲が入っています。「Ballad of a Toothed Wheel」も録音しようとした記憶がありますが、これは上手くいかなかったようです。録音方法としてはまずピアノを録音しそれに歌を被せ、2曲はその後シンセサイザーを重ねるという方法です。「振りかえると」は1人3重唱をやっています。1人で3パートをハモらせるのはかなり大変な事で、聞いてみると相当にアラが目立ちます。シンセサイザーはムーグの他にローランドのSystem800を使ったと思います。これは当時の国産の最高級のシンセサイザーでしたが、和音が使えないので、アナログ・シーケンサーに和音をセットして、手動でクロックを送信してタイミングを取るという手法を使っています。この方法はちょっとだけ自慢出来ると思っています。

さて、学校での作業はあくまでも練習のつもりでしたので、少しずつ自宅に機材を揃える事を始めました。順番がわからないのですが、ローランドのストリング・キーボードRS-09、エレクトリック・ピアノMP-600はその年の内に手に入れたと思います。どうしてわかるかと言いますと、上記の録音テープの裏面に、翌年の3月にStage Frightの仲間である高澤憲行君と2人で何曲か録音している録音が入っているからです。メモが残っていて、日付も書かれていますし、その2台のキーボードの音が使われている事も確認出来ます。ちなみに、曲は憲行君の作品「Journey」と、「迷路の街」、私の作品の「もどり橋」と、「冬の風鈴」の合わせて4曲です。この録音について憲行君と私のどちらが最初に言い出したのかの記憶がありませんが、私が積極的に行動した事は間違いないと思います。ただ、私にとっては残念だったのですが、まだ機材が十分揃っていなく、2台(?)のキーボードを車にのせて憲行君の自宅まで赴き、録音機やドラム、ギター類は彼とヒロシ兄さんのものを使わせてもらうという形での録音でした。当然じっくりと作りこむだけの時間が取れた訳ではなく、試しにやってみたという以上のものではありませんでした。

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