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11/09/2016

大川義行氏の想い出(3)

前の記事で、「第2回平和を願うコンサート=原民喜への思いをこめて」について詳しく説明するように書きましたが、少し時間を置いて考えてみますと、ちょっと言い訳がましいかなあ、と思うようになりました。特に、このコンサートには大川さんは主体的には関わっていなかったように思いますので、少なくとも大川さんにとってはそれほど重要なものでは無かった可能性があります。

しかし、一通りの事は書いておきましょう。この「平和を願うコンサート」のシリーズは、前年に誕生しました「平和を願う音楽家の会」の主催によるコンサートです。「平和を願う・・」と書いてしまうと、ある種の政治的な活動のように思われるのではないかという気がしまして、必要以上に気にしてしまうというのは、私の性癖のようなものです。私自身、当初から政治団体なのではないかと危惧しながら接していた、という事は否定いたしません。まあ、その当時、会の代表を務めていた人が「私は政治は大嫌いです」と豪語(?)していましたので、それを信じて関わっていたというのが実情です。よくよく考えてみますと、「大嫌い」などと言っているとある種の左翼思想とそれほど変わらない紙一重のようにも見えてしまいますし、どうも政治的な意図を持っているのではないかと疑われる人がメンバーとして紛れ込んでいたような気もいたしますし、この点については、あまり突っ込んで書かない方が無難でしょう。

私は、この第2回のコンサートでは、企画の段階から関わりました。題材として決まりました原民喜(はら・たみき)という詩人は、ご承知の人も多いでしょう。一時千葉を拠点に活動していたという千葉にゆかりのある詩人で、原爆投下の時には広島に居て、惨状を目の当たりにし、それを詩として残した人ですので、千葉で開催するコンサートのテーマとしてはうってつけと思われました。原民喜の詩は、作曲家の林光が何曲か合唱曲を作曲しています。何人かの声楽家を集めてその曲を演奏しようという話になり、その一方独唱曲もあった方が良いだろうという事になり、私が独唱作品を書く事になりました。私の作品表にある「原民喜の詩による歌曲集」の最初の一歩はこの時の事になります。さらに、音楽だけでなく詩の朗読も交えて、原民喜という詩人の全貌を浮かび上がらせるステージにするという話に発展しました。その朗読の担当者として、朗読だけでなく台本や演出も任せられる適任者の大川さんに登場願うという形になりました。大川さんを推薦したのは残念ながら私ではありません。その時点では、1~2度演奏会で共演(?)していたはずですが、まだそれほど親しい付き合いという関係ではありませんでした。

このコンサートは、私の代表作の1つである「原民喜の詩による歌曲集」が誕生するきっかけになった事、作曲家として初めて大川さんとのコラボが実現した事、そして以後大川さんと親しく付き合うようになったきっかけとなった事、といろいろな意味で私にとって重要なものでした。逆に大川さんにとってどうだったかという事は、私には良くわからないというのが正直なところです。しかし、もしこのコンサートが後々の大川さんとの一連のコラボ作品のきっかけとなっていたとしたら、大変嬉しく思います。

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