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12/05/2016

大川義行氏の想い出(13)

2007年の11月25日、突如大川さんから電話があり、その後すぐに1曲目テーマソングの歌詞が送られて来ました。歌の練習が始まると予定されていた日よりこの時点で2週間遅れていました。曲はこれからですので、3週間遅れという事ですね。歌の練習といっても曲は出来ていないのですから、例によって発声練習とかでお茶を濁して・・・・・モトイ!、時間を有効に使っていたようです。どうしてこうなったのか・・ですが、後から聞いた話では、やはり応募してきた人たちが、人数も少なく経験者もほとんどいないという感じだったそうで、追加の人集めに奔走していたようです。出演者が揃わなければ台本にも取り掛かれないのですね。プロの劇団ならば台本を先に書いて、後から配役を決める事が出来ますが、この点が大違いです。結果から見れば、滝沢馬琴役には「ちばの川ものがたり」に出演していた飯村孝夫さんを配し、チュ大法師という重要な役どころに俳優の宇佐美博史さん、その他の出演者やスタッフには劇団ルネッサンスと劇団サンブキッズの精鋭が多数顔を揃えていましたので、逆に言えば最初の状態がどれほどの惨状だったのか想像が付いてしまいます。このミュージカルはあくまでも滝沢馬琴が主人公ですが、馬琴が八犬士の幻覚を見るという設定で八犬士が登場します。八犬士役はダンスというよりも殺陣に近いアクションが要求されますので、普段から演出にアクロバットを取り入れていたサンブキッズのメンバーは、その点うってつけでした。

ともかく、この日から「じゃじゃ馬馴らし」は中断して「南総里見八犬伝の謎」に集中して取り掛かる事になりました。テーマソングは珍しく手間取りました。前の記事で書きました通りオーケストラサウンドを想定してそれなりに準備していたのですが、大川さんは電話で、ポップス調でという希望を出して来ました。詳しく聞いてみると、ストーリーは現代から始まり、八犬伝ツァーの参加者が登場し、「ここが有名な伏姫の岩屋です」なんてガイドさんが説明して、その後に過去のシーンに移っていくという展開だそうで、テーマの歌われるタイミングは現代の部分なのですね。という訳で、それまで準備していたものは全部リセットして新たに決めなければならなくなったわけです。

手間取ったと言っても、翌週の練習には楽譜を届け、23日の練習に間に合うように、22日の深夜に音を届けました。音についてはいろいろ迷ったのですが、結局オーケストラサウンドとポップスバンドサウンドをミックスするという、ある意味安直な形にしてしまいました。具体的には、バンドサウンドは常識的な4人編成のバンド、つまりドラム、ベース、ギター、キーボード、にさらにチェロの音色を加えました。そのサウンドを核として、メロディ楽器としてヴァイオリンやホルンやフルートの音を重ね、さらにオーケストラだけのイントロを加えたりしました。参考にしたのはELOです。ELOと言われて知っている人がどれだけいるのかが心配ですが、正式名はエレクトリック・ライト・オーケストラ(「エロ」と読まないように!)、70年代80年代に一世風靡したイギリスのバンドで、アメリカで大ヒットを連発いたしました。基本はポップス系のグループですが、メンバーにヴァイオリンやチェロの奏者が入っているのが売りでした。

これで、2007年は年末を迎え、明けて2008年の正月からが本格的なスパートです。1月6日に2曲目の歌詞と台本が届き、13日に3曲目の歌詞が届き、20日の練習に間に合うように2曲分の楽譜を届けました。2曲目にいつもより時間がかかってしまったのですが、歌詞というか間奏に近い部分に「ディバジュバ、ディバダバジュバ、ドゥーワー」というものが出て来て、ハタとフリーズしていた意味が大きいです。大川さん、どうしちゃったんでしょうか?八犬伝で「ディバダバ・・・」は思い付かないですよね・・・普通ならば・・・・

仕方がありませんので、2曲目はジャジーなサウンドにシフトチェンジです。ジャジーと言ってもあまり違和感があってもと思い、ゴスペルタイプの音楽やロックンロール調なども組み合わせてみました。3曲目は逆に何も変わった仕掛けの無いメロディアスな曲になりました。これがまたすこぶる効果的でしたね。あくまでも結果論ですが。

この後の経過は、いつもの通りと言えばいつもの通りです。ただ、いつもと違う事は、どういう訳なのか日付の記録が残っているという事です。どうせなら書いておきましょう。1月27日に4曲目までの台本が届きました。2月2日に4曲目の楽譜と2、3曲目の音を届けました。それと入れ違いに5曲目までの台本が届き(届けに行って帰ってきたらFaxが届いていたという事です)、翌2月3日に6、7曲目を含む台本の残りが届き、台本は揃いました。2月9日に5、6曲目の楽譜を届け、2月17日に4曲目と6曲目のダンス部分の音楽を持って練習場所に直接届け、2月23日の深夜に7曲目の楽譜と歌の曲全曲を入れたCD-Rを届けました。7曲目は1曲目と同じ曲を伴奏を変えたものです。その後3月9日の練習に間に合うようにBGM等全部の録音をしたCD-Rを作成しました。これを何処に届けたのかの記録が抜けていますが、大川さんの事務所ではなかったかと思います。この辺のラストスパートぶりは見事ですね。私は大川さんのペースに付き合っただけですので、見事なのは大川さんなのですが・・・このペースで曲のクォリティーが落ちないどころかどんどん上がっているのが不思議です。こういう現象を「神ってる」と言うのでしょうか?

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