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2005/06/09

90125 / Yes

yes14 賛否両論のアルバム・・・・なんだそうです。本当なのでしょうか?

単に、私が知らないだけなのかもしれませんが、このアルバムを「否」と言う論説を見た事も聞いた事も無いのです。大抵の場合、最初に賛否両論と言っておいてから、その後でおもむろに賛同の意見を言っている(書いている)んですね。何だか、頭から賛同してはいけないと思っているような感じです。思うに、賛否両論とだけ言っておけば、後は責任無くいろいろ言える(書ける)という、論法の一種なんでしょう。平たく言えば、最初に批評した人が、自分の責任で良し悪しを論ずる事から逃げた・・・そして、次に続く人もまた逃げた・・という事なのでしょう。もう、その悪循環から脱却しましょう。このアルバムは良いアルバムなんですから。

ただ、1つ確認しておかなければならないのは、このアルバムはイエスのアルバムではなかったという点です。これは、元々トレヴァー・ラビンという当時は無名だったアーティストのデビュー作となるはずでした。曲は、全曲トレヴァー・ラビンの作品です。共作者としていろいろな名前が入っていますが、それはあくまでも後から共作の形になっただけです。事の真相は、イエスを解散させた後、次の活動を模索していたクリス・スクワイアとアラン・ホワイトの2人と、デモ・テープを携えてメジャー・デビューの機会を探していたトレヴァー・ラビンを、レコード会社側がある種の思惑を持って引き合わせたという事です。その後、3人でレコーディングを開始し、ある程度形が出来上がった頃を見計らって、ツァー用にメンバーが必要だと言って、元イエスのトニー・ケイを呼び寄せ、ヴォーカルが貧弱だとか難癖を付けて、ジョン・アンダーソンに歌わせて、と、ここまでレコード会社の思惑通りに事が運びました。仕上げは、イエス再結成のプレス・リリースが流れてしまった訳です(メンバーには事後承諾だったらしいです)。トレヴァーにしてみれば、いい面の皮だった事になりますが、トレヴァー本人がジョン・アンダーソンの歌を聞いて、大いに感動したという事ですので、何事も結果オーライですね。

トレヴァーという才能に溢れた人が全力を傾けて製作した訳ですから、曲が悪いはずがありません。レコード会社側も、もし売れなければ、無理なことをした分、いたずらに問題が噴出しますので、必死にプロモーション活動をしない訳にはいきません。当時のビデオ・クリップを知っている人もいるでしょうが、好き嫌いの話はともかく(私は気持ち悪くて嫌いです)、莫大な制作費を投入している事はすぐにわかります。大ヒット作品になったのは、ある意味必然のコースだったとも言えます。さて、トレヴァーの曲がどうなのかというのは、ちょっと言いにくいです。どの曲にも、過去のイエスにもあったいろいろな仕掛けが施されていますが、それが共作者としてクレジットされた他のメンバーの担当した部分なのでしょう。もし、イエス以外の名義で発表されたのならば、「イエスに似ている」と言われて逆に評判を落としたかも知れないくらいです。ギタリストとしてのトレヴァーは、すごく器用な人です。大ヒット曲「ロンリー・ハート」のディストーション・サウンドのイメージが強すぎて、誤解されやすいのですが、実はスティーブ・ハケット、マイク・ラザフォードのジェネシス勢との共通点をすごく感じます。やはり、80年代プログレの名作には間違いありません。

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コメント

こんにちは。イエスの話題を書かれていたのでTBさせて頂きました。宜しくお願いします。
 トレバー・ラビンが歌ってるシネマのデモが海賊盤で出回ってるらしいんですが(アンダーソンが入る前ですね)、聴いた人の話によると殆ど完成していてトレバーがヴォーカルのヴァージョンも結構格好良かったようですよ。
 私は90125イエスは意外とすんなり聴けた方ですが、多分賛否両論というのはアルバムの良し悪し、ということではなくて、昔からのイエス・ファンが受け入れられるか、受け入れられないか、といったニュアンスが強いような気もします。(^^♪
また、お邪魔しますね。宜しくお願いします。

投稿: axis_009 | 2005/06/12 20:00

axis_009さん。
TBありがとうございます。
シネマのデモ、話は聞いた事ありますが、未聴です。
トレバーの歌が悪くないという話は、「さもありなん」ですね。

投稿: 管理人 | 2005/06/13 18:13

中学生の頃(1971年)からリアルタイムで、イエスを聴いていました。、私にとってイエスとは、「イエスファースト」から「危機」までで、それ以降は馴染めず興味を失い、暫くはイエスからは遠ざかっていました。

1983年の3月、偶然通りかかったレコード店の新譜コーナーで見かけて驚きました。
銀色に鈍く輝くジャケット(アナログレコード)「YES」というごく普通のロゴ、赤っぽい帯に書かれた、トレヴァーラビン(g)、まったく聞いたことのないギタリスト、これは本当にイエスなのか。ジョンアンダーソンとクリススクワイアの名前がクレジットされているので、間違いなくあのイエスである。
そして何とオリジナルメンバーであったトニーケイもクレジットされているではありませんか。
とにかく買ってしまい、聴いてみました。

結論から言いますと、今までのプログレ路線とは全然違うけど、これはこれで抵抗感もなく納得させられました。
少なくとも「海洋地形学・・・」を聴いたときのようなハッキリした落胆は、ありませんでした。

これはレヴァーラビンの並々ならぬ才能によるところが大きいでしょう。
技巧的には全く問題ないし、とりわけ音楽的に類い稀なセンスの持ち主であると断言できるでしょう。
スティーヴハウよりは上手でしょう。
その証拠に映像で見るメンバーが変わってもライヴでは外すことの出来ない楽曲、「アイヴーン・・・・」「スターシップツルーパー」「ラウンドアバウト」などを演っているラビンは、ハウより格段によいセンスでギターを掻き鳴らしていると思います。ラビン自身の楽曲でもないし、私の勝手な想像ですが、便宜上仕方なく演ってるとしても映像を見る限り非常に楽しんでいるように見えますし(実際そうでないとしたら)見上げたプロ根性ではないでしょうか。
ハウが演っている「ロンリーハート」(非常に嫌そうに見える)よりは、はるかによいセンスでしょう。

メンバーが変わって示す音楽性が従来と違った方向に行ったとしても、センスがあれば妙に納得させられるのです。

投稿: 90125 | 2010/06/05 19:02

90125がラビンのデビュー作になるはずだったとのことですが、ラビンはこの時までに英クリサリスからソロアルバムを3枚出しており(日本でも発売されていた)、また80年に元レインボーのジミー・ベインが在籍したWhite Horsesのアルバムをプロデュースしたりもしていて、商業的な成功はしていませんでしたがUKの音楽業界ではそこそこ知られていたと思いますよ。

投稿: トビン | 2022/10/05 22:22

トビンさん、情報どうもありがとうございます。
私が調べた記事(どういうものだったのかは今では調べるのが困難ですが)では、デビュー作と書かれていました。再デビュー作の間違いだったという事でしょうね。

投稿: くれるぼ | 2022/10/06 08:35

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