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2005/07/08

ELPの原曲(ナイス編) / Nice

nice3これは、以前別な場所に書いたものです。自分で参照するデータベースみたいなつもりでここにも書きます。何か、新しい事がわかったら、ポンと書き直してしまうつもりです。

ザ・ナイスのサード・アルバムで、イミディエイト・レーベルからは、最後のアルバムになります。レーベル移籍という問題もあったのでしょうが、この頃からどうもアルバムをきちんと仕上げようとしている様子がありません。LPの裏面がライブになっていますが、必然性をあまり感じません。新曲が不足している状態で、とにかく発表してしまったという感じです。移籍問題は、情報として聞く以上にゴタゴタしていたのではないでしょうか。

○Azrael Revisited
ファースト・アルバムのボーナス・トラックに入っている"Azrial (Angel of Death)"と、同じ曲の別テイク(というよりも再録音)です。曲自体は大きな変化は無く、ラフマニノフ作曲「前奏曲第1番嬰ハ短調」が引用される形もそのままです。少しアップテンポになっていますので、ラフマニノフが登場するタイミングが、51秒と1分51秒という事で、かなり早まっています。ただし、後半のアドリブ部分は、かなり長く引き伸ばしています。

○Hang on to a Dream
ティム・ハーディンの作品のカバーなのですが、ティム・ハーディンについてはあまり良く知りませんので、書く事がありません。

○Diary of an Empty Day
原曲は、ラロ作曲「スペイン交響曲」の第5楽章になります。いかにもスペインの舞曲といった趣のメロディです。

○For Example
7分56秒から、突如ビートルズの「ノルウェジアン・ウッド」のフレーズが引用されています。その直後8分2秒からは、バーンスタインの「ウェストサイド物語」の「アメリカ」のフレーズが登場いたします。これは、セカンド・アルバムの"America"で出てきたフレーズと同じものです。

○Rondo '69'
ファースト・アルバム収録の"Rondo"のライヴ・バージョンで、タイトルを少し変えています。原曲は、既に書きましたが、デイヴ・ブルーベックの「トルコ風ブルー・ロンド」です。
その他の引用ですが、イントロの22秒からいきなり出現するのがバッハ作曲「イタリア協奏曲」の第3楽章の冒頭のフレーズ。4分9秒から出てくるのが、デュカス作曲交響詩「魔法使いの弟子」のフレーズ。4分48秒から出てくるものが絶対に引用だと思いますが、これは全然知らない曲でどうにもなりません。5分29秒くからはバッハの「トッカータとフーガ」ニ短調のフーガのテーマが出てきます。その後6分45秒からバッハ風のフレーズが出てきますが、こちらは引用ではなさそうです。ただし、バッハのオルガンソナタ変ホ長調に似たようなフレーズが出てくるのを見つけてしまいました。
しかし、次の曲もそうなんですが、いつ終わるとも知れないキース・エマーソンのアドリブ・プレイに対して、ひたすら体力勝負を強いられて、きちんと応えているブライアン・デヴィソンというドラマーの底力には、カール・パーマー、コージー・パウエルとは全然違った意味で驚かされます。

○She Belongs to Me
ボブ・ディランのカバーです・・・・。ですが、こんなに原曲のイメージが無いカバーも珍しいです。
さて、引用が大変です。2分37秒から出てくるのが、「荒野の7人」のリズム・パターンです。そして、4分22秒から登場するのが、バッハ作曲「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調」の第1楽章。その直後4分35秒から出てくるのが俗にヴィヴァルディ・フレーズなどと言われるバターンです。これは、ヴィヴァルディでしょっちゅう出てくるという事で有名なので、特にどの曲の引用というのでもないでしょう。スカイがすばり「ヴィヴァルディ」という曲名で似たようなパターンの曲をやっています。そして、5分58秒から登場するのが、バッハ作曲「平均率曲集第1巻」第5番の「プレリュード」のフレーズです。さて、次の6分49秒かせ出現するオルガンの左手のパターンが、ジャズのトランペット奏者リー・モーガンの「ザ・サイドワインダー」という曲のパターンです。次、8分15秒をから、またまた、オリヴァー・ネルソンの"Hoedown"が登場します。もう一つ、8分26秒からウニャウニャと出てくるフレーズは、何かの引用ではないかと思いますが、これも知らないので手が出ません。
とりあえずのところは、以上です。

CDには、ボーナス・トラックで、"Hang on to a Dream"と、"Diary of an Empty Day"のシングル・ヴァージョンが入っていますが、取り立てて書く事は無いようです。

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コメント

 このアルバムは、The Niceの最高傑作でしょう。「きちんと仕上げようとしている様子がありません」なんて、とんでもないです。

投稿: | 2008/04/26 00:41

コメントありがとうございます。
この作品を「最高傑作」と呼ぶかどうかは、最終的には聞く人の感じ方がポインとになりますので、そういう人がいる事を否定するものではありません。
私が言いたいのは、おそらく契約上の期日に迫られての事だと思いますが、「この曲とこの曲と・・・でアルバム1枚分!!」と、非常に安易に決めてしまっている印象があるという点です。ライブ音源が顕著ですが、演奏自体が粗くミスもあり、どうもベスト・テイクとは思えないのです。録音がある中ではベストだったのかも知れませんが、時間が許されるならば次のコンサートで最収録を考えるのが正しい方向だと考えられます。
それでも、「最高傑作」と呼ぶ人がいるのは、それだけ全体のグレードが高いという事ですが、「もっと良くなるはずだった」という感じがある限り、「きちんと仕上げようとしていない」という私の見解は変わるものではありません。

投稿: 管理人 | 2008/04/28 13:50

 各楽曲に添えられたコメントを拝読いたしましたが、原曲や引用曲について触れた以外は、アレンジや演奏など音楽面には一切触れられておらず、細かく聴き込んだ様子の感じられない無関心さが見て取れます。これを見解とするには少々内容が希薄ではないかとに思われます。
 ピアノのタッチやアドリブ・フレーズなどは、以前のアルバムと比べて格段に向上しており、プレーヤーとしてのセンスが感じられます。「アズラエル」のリアレンジなど、旧作と比べると全く異なったセンスの良さが感じられ、全く別物に仕上がっています。それを「大差はなく」の一言で片づけていることには、驚き呆れてしまいます。
 その他、スタジオバージョン全体に感じられる「ピアノとオルガンをバランス良く使い分けたアレンジ・センスなど、それまでの録音とは一線を画します。
 ただし、ピアノのプレイなど、たぶんキース・エマーソン本人ではありません。タッチが明らかに異なり、弾いているのは、ジャズのプロ・ミュージシャンです。1stでのアマチュアっぽいピアノ・プレイと比べると、このアルバムでの「夢を追って」のピアノ・プレイなど別次元の繊細さで、とてもキースの演奏だとは思えません。間違いなく本人が弾いているはずの後発ライヴ・アルバム「五つの橋」「エレジー」での同局のピアノ・プレイと比較するとその差が歴然としています。
 誰が弾いているかは度外視して、残された音だけを聴くと、彼らの5枚のアルバムの中で「プレイそのもの」に最も魅力の感じられる1枚になっています。ピアノ&オルガンの演奏レベルやアレンジセンスに焦点を当てると、このアルバムだけが異常に高水準です。
 「ロンド」のライブ録音は、初のアメリカ公演を収めたもので、並々ならぬ熱意とグルーブが感じられ、1stに収められたスタジオ録音とは熱度の差が歴然としています。曲間に収められたキースのMCからも緊張している様子がはっきりと伝わり、彼らの意気込みが伝わってきます。
 このアルバムが日本国内で発売された際、音楽雑誌「ミュージック・ライフ」のアルバム評でも☆5つの最高評価が付けられていたことをご存じでしょうか?
 以後、長い年月を経て聴き返すと、録音技術やスタジオワークなどの点で稚拙なのは致し方のないことですが、このアルバムから何も感じ取っていないような書きぶりには、正直に申し上げますが、リスナーとしての怠慢な態度が見えてしまいます。

投稿: | 2023/07/24 14:03

コメントどうもありがとうございます。
この一連の記事は、仰る通り原曲や引用曲について書く事を第一の目的としています。
逆に言えば演奏や音楽面については多少触れたとしても、主な論点としては取り扱っていません。悪しからずご理解いただければと思います。

投稿: 管理人 | 2023/07/24 16:28

であれば、このアルバムがまるで価値の低いものであるかのような書きぶりは、不当だと思われます。
まったく知識の無い方に対して、間違った情報を与えることになりかねません。
率直に申し上げましょう。一読して不快感を覚えました。多くの点で配慮に欠けているように思われます。

投稿: | 2023/07/24 17:11

価値が低いとは一言も書いていませんよ。
アルバムをきちんと仕上げるのが難しい状況だったらしいという判断をそのまま素直に書いたという事です。1曲ごとの良し悪しとは別の話です。
知識の無い人がこの記事を読まれたとしたら、「聞いてみたい」と言うと思います。

投稿: 管理人 | 2023/07/25 20:19

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