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2006/05/22

Spooky Tooth に光りを! / Spooky Two

S_tooth21969年発表のセカンド・アルバムです。画像のCDのジャケットは、LPのものとは違っています。LPでは、見開きの裏部分まで、横に長い1枚の写真に5人が写っていますが、CDでは、幅を切り詰めて寄せたりして、正方形に5人が入るように修正されています。わりと素気ないジャケット・デザインですが、メンバーの顔がはっきりわかるという意味では逆に貴重かも知れません。それだけ、残されている画像・映像が少ないという事にもなります。メンバー5人は前作と同じ。プロデューサーも、前作と同じくジミー・ミラーで、音自体も前作の延長という意味が大きいと思います。しかしながら、仔細に見ていくといろいろな面で変化してきている事も指摘できます。

このアルバムが発表された頃にレッド・ツェッペリンのデビュー・アルバムが発表されています。この、アルバムと関係があるのかどうかというのが気になります。と、言うのも、このアルバムが前作とどう違うのかという事を簡単に説明しようとすると、サイケデリックからハード・ロックに変わったと表現するのが適切だからです。この時代の事は、文字の情報に頼らざるをえないので、よくわからないのですが、両者の発売はほぼ同時期ですので、事前に何らかの交流があったのか、偶然そういう事になったのかがとても気になります。もちろん、レッド・ツェッペリンはデビュー前からかなり話題になっていた形跡がありますので、スプーキー・トゥースのメンバーがデビュー前のツェッペリンのコンサートを見ていた可能性も否定は出来ません。しかし、両者になんらかの接点があるという証拠も全く出てきませんので、当時の音楽界の流れの中の必然として、たまたまそういう形になったと考えるしかないように思います。

ハード・ロックと書きましたが、スプーキー・トゥースの場合は、レッド・ツェッベリンとはタイプが違います。このアルバムにおけるサウンドは、翌年の1970年に突如としてハード・ロック・バンドに転身したディープ・パープルの感じに近いものです。ですから、このアルバムがディープ・パープルに影響を与えている可能性があると思います。「可能性」と書きましたが、それは確たる証拠が見つからないからで、ディープ・パープルの「イン・ロック」とこのアルバムには、曲の展開や、音の使い方にかなり共通性があり、後発のパープルの方が大いに参考にしているのではないか、と私の目には映っています。

このアルバムの特徴はこう書いていくと大体説明がついてしまうようでもありますが、もう少し詳しく書いていきましょう。前述の事に関連いたしますが、ファーストでサイケ的な扱いで登場していたハープシコードの使用は、あっさりと放棄されています。全8曲のうち、スタンダードの「イヴル・ウーマン」が唯一のカバー曲で、4曲がゲイリー・ライトの作品、残りの3曲がゲイリー・ライトと他のメンバーの共作曲です。つまり、ゲイリー・ライトがソング・ライターとしてバンド全体をリードしている形です。その「イヴル・ウーマン」は一種の典型ですが、ギター・リフを用い、ベースはグルーヴ感たっぷりのフレーズを用い、ギターとヴォーカルとオルガンが絡み合うように盛り上がっていくハード・ロック・サウンドが展開されます。アルバムの最初がドラムのパターンで始まるという形も含めて、後のハード・ロック絶頂期にはあたりまえのような事が、こんな時代からあったという事は、驚きです。

ヴォーカリスト2人のコンビネーションも絶好調で、ゲイリー=高音、マイク=中低音なんて図式で考えていると大間違いで、5曲目の"Lost in My Dream"という曲を聴くと、最初の低音部をゲイリーが歌い、高音に移り盛り上げていくブリッジ部分をマイクが歌い、サビは2人でハモり、クライマックスではマイクがシャウトしているという形で、2人の声が似ている事もあり、注意して聴いていないと騙されそうです。

もちろんハード一辺倒という事ではありません。女声バックコーラスを従えたゴスペル風の曲があったり、ポップス調の軽めの曲も入っていたりします。アルバムの充実度は、いつもの事ながら大変なものですが、この作品がまた商業的にはあまり売れなかったというのですから、わからないものです。時代が悪かったとしか言いようがありません。

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コメント

このアルバムがspooky toothの中で一番のお気に入りです。zeppelinのデビューと同年でしたか。路線は違いますが音楽的には
同等かそれ以上のレベルな様に思えます。
発売は1970年位なのかと思ってました。
spooky twoとDeep Purpleの共通性は興味深いですね。判る人には判るかなという程度ですが、一番それらしく思える部分はギターで、ソロの部分からしてリッチー・ブラックモアの原形を感じさせます。リッチーの雛型はジミヘンだと言われる事が多い中、?な感じも有った自分でしたが、このギタリストを参考にしたのは間違いないと勝手に思ってしまった。In Rockの方が後発ならあり得るかも知れない。この後加入のミックジョーンズがフォリナーを結成しますが、更にリッチーがフォリナーの後を追うようになるので、spookyには何か惹きつけるものがあるのだと思います。

投稿: Daiki | 2021/09/22 18:56

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